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昔評論家、今ネット民

オーディオに限って言うと、昔は評論家が適当なことを流布していましたが、今はお気軽にネット民がその当時のことを流布しています。なぜそんなことを思い出したかというと、ブロ友さんが磁石について色々書いて思い出したからです。アルニコ磁石からフェライト磁石に切り替わったのは、日本は相当早かったのは周知の事実です。’70年代はほとんどの日本のオーディオメーカーのスピーカーはフェライト磁石でした。遅れてJBLがアルニコからフェライトのSFG磁気回路に変わったのはずっと後の1980年頃です。それが出た頃は減磁に弱いアルニコだとか、大入力でスタジオモニターは使うから減磁するとか、大入力で使うから熱に弱いアルニコは減磁する(キュリー温度まで上がる訳がない)とか言いたい放題でした。
その頃某社の磁気製品工学教本


その通信教育を受けていた私は、Baフェライトは非可逆的減磁があると習っていてそれを言ってオーディオマニアから顰蹙を買ったことがあります。オーディオ界ではフェライトは減磁しないことになってましたからね。教本には0度以下でBaフェライトは非可逆的に減磁すると書いてあったのです。非可逆的減磁とは元に戻らない減磁のことです。要するに定量的でないにしろ減磁は発生することがわかっていたのです。今ネット検索すると’73年頃のフェライト磁石の非可逆的減磁論文が出てきます。ただしリンク貼れないようになってますので興味のある人は検索してください。
オーディオ評論家が,昔適当なことを言ったことを現代においては、ネットやYouTubeで上塗りして広げていることは少なくありません。思い込みはよろしくありません。フェライトの工場は巨大な施設です。粉固めて、数百mの焼成炉くぐって、研磨して、着磁。スピーカーユニットメーカーが持てるような設備ではないのです。
日本に於いては、磁石は早くからフェライト化され、JBLの磁気ひずみ改善のSFG磁気回路は、評論家お墨付きで入って来たものの、アルニコVの方が好きという人が多く、今でも、フェライト版のユニットを手にしてもアルニコV版のユニットに買い替える人が少なくありません。減磁問題なんて全く影響無いようなものです。長いオーディオ歴史の中でフェライトのスピーカーしか作って来なかったメーカーが、最近になってアルニコ磁石の高額スピーカーを売りに出しているのは、なんとも辻褄が合わない話しです。

真実を追求せず、雑誌やネット情報を鵜呑みにしていることは、マスコミ情報を鵜呑みにするのと同じことです!

コメント

そうなのです^^;

こんばんは!

出ました、磁気工学書(^^)/ なんでも、深堀りすると長所と短所があって、それを踏まえて上手く設計するのが、有能な設計者ですね。一部分を切り取って、そこだけ拡散すると、おかしなことになります。
これ以上ブログに書くのは、やめておこうかな(=^・^=)

最近では、日立や住友金属の本体が生産していた時代ならいざ知らず、怪しげな中華工場、または提携工場、当時の国内でも訳の分からない三流企業(@_@)の作った磁石も危ないです。
要は、その辺の品質管理が行き届いた企業のスピーカーしか、信用できないと思います。
フェライト磁石は、組み立て工場の社内で着磁できるので、一流のスピーカーメーカーなら、大丈夫でしょうが。

但し、むかし築かれた設計ノウハウや生産技術が、どの程度継承されているかは、とても疑問です。

やはり、ユーザーが見抜く力を付けるしかないのでしょう。

Re: そうなのです^^;

しんのすけさん
こんばんは!
歳をとると何かをきっかけに昔の記憶が引き出しから出てきます。
1984年頃の記憶がおかげさまで甦りました。
他方の欠点だけを攻めて優位に宣伝しても良いことはありません。

>ユーザーが見抜く力を付けるしかないのでしょう。
他力本願で、評論家の言うことや、簡単に根拠のない動画を元に見抜いた
つもりになってはダメですね。

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