1987年製ローテル RB-870
アンプ修理は、基本的に受付していません。古いものを真面目に修理することとは、こういう作業が伴います。特に思い入れが無い場合には、そっと思い出と一緒にしまっておくのも良いことです。
申し出内容
1 現象、ミュート解放しない。
2 電源入れるとブォーンと音がする
1はミュートリレードライブトランジスタ、半田クラック 半田手直し
2はトランジスタ不良だった。修理始まると次々不良が出て来る。
結果的に沼に嵌ってしまった。
電解コンデンサは、発熱でスリープが縮んでしまっていたので,無理やりボンドをはがして交換.他の電解コンデンサも交換
年数から、寿命判断。いつ壊れるか分からない寿命部品は、先に交換して置く。

データシートから、ミュート回路を追う。
ミューティング回路はスピーカープロテクトではない。入力をリレーでショートする回路だった。解除しないのは、リレー駆動回路のトランジスタのコレクタにクラックで、ハンダ手直し。ICの出力は動作していたのは幸いだった。

一旦音出し、両チャンネルから一応音は出た。しばらくするとブォーンスピーカーが光る。保護電球が点いたようだ。
これで沼に嵌る。スピーカー端子に直流が出ています。不良トランジスタを見つけた。2SA1016Kが逝っていた。代替のトランジスタをとりあえず取り付ける。高耐圧ローノイズ品だからそうそう代替できるものは無い。適当なのを付けて動作確認する。
2SA1016Kを注文したいが、1つの店にしか無かった。それだけ注文してもなんなので、他の部品も注文した。(これが別記事、大損失)
暫定交換部品のまま仮調整アイドル電流は30m Aだったので50m Aに調整した。
ところが片チャンネルアイドル電流が調整できない。ほぼゼロなので歪んでいる。これもバイアス回路のトランジスタのハンダクラック不良個所のハンダ手直し。半固定抵抗が不安定なのでサーメットトリマーに交換両チャンネルとも50mAに調整
そうこうしているうちに熱暴走、バイアス安定のための貼り付けてあるトランジスタが剥がれている。サーマルボンドを注文。
固定した。(写真左下の白い部分)

クローズアップ(中央)

最終動作確認
きちんと、動作しているか確認。音が出ましたOKとはいかない。オーナーさん、取説とカタログ添付してくれてるから助かります。

定格を満たしているかの確認作業です。出力は余裕で60Wをクリア。周波数特性も余裕で160kHzまで伸びてます。

歪み率も実力値は0.015%以下でクリア

1時間ほど、連続正弦波でテスト。放熱器はカチカチです。交換部品
ローテルは、実力値がカタログ以上なので安心できる。
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