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ダンピングファクターの真実

ダンピングファクターは、いくら高くてもスピーカーの中にネットワークがあってはダンピングファクターを大きく落としてしまいます。見かけ上8Ωのウーハーでもネットワークは下図の場所に入ります。要するにパワーアンプの出力は、アンプの出力端子とスピーカーの入力端子を結ぶ往復の電線の抵抗分と、このコイルでダンピングファクターが大きく低下します。



昔はアナログテスターで直流抵抗を測ってもこんな感じですから0Ωだから気にもなりません。



このにネットワーク(スピーカーの内部に入っている)のコイルの直流抵抗を測ってみます。比較的太い線のインダクターです。



大きな方の太い巻き線の4.7μHのインダクターです。0.355247Ωあります。





小さい方の3.0μHのインダクターです。0.334536Ωあります。



この2つのインダクターは、4端子測定で測って約0.3Ωとします。

ダンピングファクターが、8Ω/200のアンプに接続したとします。このアンプの内部抵抗は8/200=0.04Ωです。これが8Ωのスピーカーから見たらアンプの内部抵抗0.04Ω+インダクター(L)の抵抗0.3Ω=0.34となり、スピーカーからすれば見かけ上0.34Ωの内部抵抗アンプになるわけです。8/0.34≒24 200のDFのアンプが24のDFになってしまいます。ネットワークの悪さはこういうところで現れます。さらに接続電線(スピーカーコード)の抵抗分が入ったらもっと落ちてしまいます。

はじめからDFが30しか無いアンプ 内部抵抗=8/30≒0.27Ωだった場合0.27+0.3=0.57  見かけ上8/0.57=DF14

DFが14と24ですから大差が無くなってしまいます。 これを考えると問題はウーハーに入るインダクターにあるのがお分かりいただけると思います。このインダクターを追放するには、フルレンジにするかマルチアンプ駆動にしてインダクターを無くする必要があります。

この事実は、一般にはあまり知られていません。電線の長さで抵抗は変わります。電線販売には実に都合の悪いことです。プロ用のスピーカー電線メーカーのカナレ電気ではこの辺を説明しています。
高いDF(内部抵抗の小さい)アンプは、DF200ぐらいまでは、何とかなります。それ以上だと出力配線(ブスバー)、出力端子、終段の多素子化や出力保護リレーの排除などmΩ単位の配慮が必要になります。必然的に回路は物理的に大掛かりな接続となり、高価格になるものです。アキュフェーズ社の最新アンプの中身をご覧になればわかると思います。

それで安価にスピーカーを楽に駆動したいのなら、フルレンジかマルチアンプとなるわけです。
ちなみに安価なデジアンのDFはほとんど表示されていません。出力に細いコイルが必ず入ってます。何を言いたいかもうお分かりですね。

電気で動くものは、必ず理屈が通ります。理屈を通らなくしているのはオーディオだけです。

知っていて損は無い事を書きましたが、この事実は、マルチアンプにした全国の方に実感いただいています。
パワーアンプはスピーカーの近くが良いのです。
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コメント

物は言いよう 詭弁?

おはようございます

>ダンピングファクターは、いくら高くてもスピーカーの中にネットワークがあっては
>ダンピングファクターを大きく落としてしまいます。

評論家の先生方はそれを「低音の再生能力が素晴らしいスピーカー」と言ったり
同様にDFが小さいアンプを「このアンプは駆動力があるから低音が出る」とも

DF下がるとラウドネスコントロールのような効果もありますから厄介ですね

Re: 物は言いよう 詭弁?

MFさん
おはようございます。

パワーアンプの内部抵抗を小さくするには限界があります。
一番良いのは、電線を無くすこと(ネットワークのコイルも含む)
こんな本当のことを、評論家は言えません。
言ったら電線屋や、スピーカー屋、トンデモアンプ屋から総攻撃を食らって撃沈です。

その一方で真空管アンプやデジアンの低DFですから、すべては上手く
誤魔化せるのがオーディオ界なんです。

なるほど

こんばんは!

分かり易い説明をありがとうございます。だから、マルチアンプが優位なのですね。スピーカーケーブルも大切ですが、接続部分の抵抗も大きく影響しそうです。酸化したり、緩んだりして抵抗が増えますからね。
意外に無神経に扱う場合が多く、音が途切れるまで気が付かなかったなんて話もよく聞きます(笑)

Re: なるほど

しんのすけさん
こんにちは!

このことは、ある意味タブーなのかも知れません。技術誌を排除したオーディオ雑誌にすればです。
電線で音が変わったと言った方で、酸化じた状態で接続して、新しい線をつないだら良くなった、それは
メンテナンス不足も考えられます。オーディオ全盛期は、少年向け雑誌にさえ定期的に電線の接続部分は
剥き直してつなごうと書いてありましたよ(笑)

試聴会にオリジナル電線もって来た電線屋さん。音が変わらず、電線のよじりが足らないのが原因でしたとさ。
2本の電線よじって音作ってるのかい(失笑)雑誌の評価高評価もらいましたと自信ありげでしたよ。

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