FC2ブログ

記事一覧

半導体データーシートに見るオーディオの終焉

1990年代オーディオはアナログからデジタルにとって変わりました。
最近、古い年代のアンプを修理していて思ったのですが、そういえばその頃オーディオ用小信号トランジスターは生産終了が相次ぎました。需要が無ければ生産はしません。オーディオ用途以外にはあまり使われませんから仕方ありません。
わら半紙で7㎝弱の厚さがあるデータブック

DSC_0152_202102281025377cf.jpg

この例では、26年前には廃品種ですから、今更探しても無理があります。この表を見る限り同じ型番に代替え品種になっています。注意しなくてはならないのが代替であって互換ではないのです。このデータブックは、メーカーの設計者向けですから新規設計には保守、廃品種で設計はしないようにということなのです。
DSC_0153_20210228102539e93.jpg


特に特性選別してアルミケースにパッケージしたものは、手がかかってますね。これの代替えが右側です。たとえ入手出来ても修理には使えない訳です。
DSC_0150_20210228105658732.jpg

特にK146に関しては、代替さえありません。修理にはオリジナルしかないのです。修理できないのはこういうあたりにあります。
DSC_0147_202102281056573f2.jpg

下の写真は同じK146ですが、VGSSのランクがBLとVでは大きく違うのです。BLは10mA前後ですがVになると20mA前後と大きくことなるのです。廃品種となって25年以上経過してVGSSランクVなんてとても入手できるものではありません。セットメーカーで修理受け付けないのは、保守在庫が底を尽きているからに他なりません。
DSC_0151_202102281125596b8.jpg

規格的に使えそうな単品トランジスタから選別してペア組だけでも大変なのにその中からVGSSの大きなものを探して修理するのは容易なことではありません。K146やK240は差動入力回路で往年の銘機に多く使われましたが、今はOPアンプ回路の入力でほとんど間に合ってますが、音質を思うと入力段と出力段に大きな電流を喰わせた音質は、捨てがたいものがあります。


スポンサーサイト



コメント

本当に無いですね・・・

こんばんは~(^^)/

本当に無いものですね。
以前は秋葉原に注文すれば手に入るのが普通でしたが
もう、在庫切れがほとんどですし、在庫があっても2桁。

貴重な修理、自作、制作文化が途絶えてしまいます。

スピーカーを組むにもコンデンサー、コイル、アッテネータが高価になりました。

難民感~(ノД`)・゜・。

Re: 本当に無いですね・・・

そば好き2さん
こんばんは、20年も経つと市場在庫も底をつきます。
そして、超古いものまで店の奥から引っ張ってくるようになるのでしょう。
昨日もらったメールは、パッケージが見たことないので偽物を心配されたようです。
30年以上前の旧パッケージまでアキバでも売るようになったようです。

また文化が消えそうですね。
何かを作ったり修理したりしない時代になりました。
だからホームセンターにも在庫がないんですよね。

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

audioproject

Author:audioproject
自作オーディオというジャンルです。
audioproject.jpは独自ドメインです。
自作オーディオ.jpは独自ドメインです。