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レコードカートリッジの真実

レコードのカートリッジについて昔は、当たり前の知識が現在では全くもって違った形で語られることも少なくありません。
特にユーチューバーさんいい加減にしてくださいと言いたいです。
MMカートリッジとMCカートリッジがあるのはご存知の通りです。
まず最も多く使用されていたMMカートリッジ
これは針先の後部(カンチレバーの後ろ)の小さな磁石の振動から大きな出力を取り出すためにとても細い線を沢山巻いている関係で直流抵抗はかなり大きくなっています。このことはインダクタンスもかなり大きくなります。
最も有名なV15Ⅲでは直流抵抗約1.5kΩ500mHくらいだったと思います。
従って周波数によってインピーダンスが異なります。通常1KHzのインピーダンスが基準です。
1KHzで4kΩくらいのインピーダンスが10KHzでは35KΩ位と極端に高くなるわけです。
50Hzとかだとインピーダンスは直流抵抗に近くなります。
このため昔の中級以上のプリアンプやプリメインアンプには入力インピーダンス切り替えがついていました。
この製作したフォノイコ基板にも入力インピーダンス切り替えを付けています。ただし外部に転換器を付けるのは、ノイズ等の点から好ましくありませんから基板上にショートプラグにしてあります。


入力を22k、47k、100kと切替え出来る。抵抗負荷変えるだけです。このために当時のアンプは、スイッチ配線がありました。


なぜフォノの入力インピーダンスは47KΩが標準なのかですが、これはハイ受けにしないと特性が落ちてしまうからです。
V15Ⅲでは1KHzでは≒4KΩですから10倍以上の47Kで問題はありません。10KHzでは35KΩですから3倍程度の100KΩで受けたいところです。ところがMMカートリッジの3mV程度の小さな電力を100KΩで受けるとノイズに弱くなるのとフォノケーブルの容量の影響で高域特性に影響してしまいます。結局35KΩより高い47KΩが妥協点な訳です。
フォノケーブルは、このため低容量タイプです。


MCカートリッジ
現物を見たことある人触ったことのある人ならわかるはずですが、大きなボディに強力な磁石でさぞ出力も大きいと思いそうですが実は非常に出力は小さくMMの1/10~1/100くらいしかありません。
これはコイルの巻き数が極めて少ないからです。磁石の中でカンチレバーに付いた大きなコイルが大きくては針先で動かせません。そしてインピーダンスは巻数が少ないのでほとんど直流抵抗に等しくなります。
それは、低い周波数から高い周波数までインピーダンスがフラットであることを物語っています。
MCカートリッジの場合、負荷抵抗を合わせた方が良いと思われがちですが極めて小さい出力をダンプすることになるからこれも大きな負荷抵抗で受けた方が良いのは当たり前のことですが、ヘッドアンプの入力抵抗を大きくするとノイズも大きくなるので静特性的には、小さい方が見栄えが良いのです。それで一般的には100Ω受けです。オルトフォンなどの2から3Ωに対しては3倍以上の10Ωくらいでも問題は生じません。極端なハイ受けのMM並みにするには、それなりの回路設計が必要ですから高価になります。
制動の問題から低い方が良いという方もいますが、MMでもMCでもカートリッジ自体が制動能力に長けていることを忘れては、いけません。
小難しく言っているけど、フォノEQの負荷抵抗とケーブル含む容量で高域特性が変わるのがMMの特徴。
だから耳で聴いて切り替える程度で良いのです。負荷容量切替は無用の長物。マニアは調整できるものを好むというか一度調整してもしょっちゅう弄るからウケは良いから付いているようなもの。

以上レコード全盛期70年代の知識を振り返ってみました。
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コメント

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ここのところが難しい

こんばんは!

MMはインピーダンスの変動が大きいから、ケーブルの静電容量とかの影響もあるのでしょう。負荷抵抗は47KΩを推奨しているメーカーが多いので、通常は47KΩで受けています。ケーブルもありきたりの物を使っています。
わたしの場合、カートリッジ交換が激しいので、そこが悩みところです。
本来は、MC用、MM用、軽針圧用等、数種類のアームとケーブル、イコライザー、ヘッドアンプを用意しておくのがベストとは思いますが、置き場所の問題等あり、なかなかそこまで出来ていません。MMの中級機でも、かなりのところまで行くでしょう。
MCは、インピーダンス変動が少ないという意味で、理想に近く、癖は少ないですね。S/Nの問題を除けば、ハイ受けしたほうが良好というのは、経験からも頷けます。
でも・・・  レコード自体がRIAAカーブでイコライジングされている訳で、カートリッジのダンパーの特性もフラットではないから・・・ なんて言ったら本末転倒ですね(爆)
普通の人は、気に入ったカートリッジ1本でセッティングすることをお勧めします(自爆)

Re: 犬木

内緒さん
犬は昔、全メーカーの業務用ブラウン管モニター作っていた時代がありましたが
小さい市場ですから当たり前のことです。

昭和40年代のすり替え演奏今思うと逸話か神話かです当時生オケ聞いたことない人
集めたと考えるのが正しいかと!

Re: ここのところが難しい

しんのすけさん
こんにちは!

カートリッジ蒐集家ならではの、コメントありがとうございます(笑)

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