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フォノイコライザー回路の変遷

昭和40年代から50年代の初めにかけてのフォノイコライザーはトランジスターの2段から3段の直結回路にイコライザー定数の素子を付けたものでした。(下図上段) 超高級機種はトランジスターやFETの組み合わせ20個程度でプッシュプル回路を構成していました。許容入力競争から高い電源電圧でした。何しろイコライザーアンプは高域と低域では増幅利得相対差が40dBもあるので大変なことです。

ところが50年代中ごろから、オーディオ用OPAMPの登場で、下図(下段)のようなOPAMPで簡略化されるようになります。中級以下はOPAMPに置き換えられました。ミニコンポなどはほぼOPAMP回路です。国内の高級機種はOPAMPの性能を向上させるため入力出力にFETやトランジスタで追加回路を組みました。
海外の高級機種ではOPAMPだけの回路を採用したものもありました。それでも周辺部品には気を使って時定数回路には良質なフィルムコンデンサーやRNFには大容量タンタルコンなどを採用していました。このRNFのコンデンサーが低域に影響があるため国内機種ではDCサーボ回路で、使わないように工夫してました。
赤丸の部分には、セラミックコンデンサーを使うなどは少年向け自作記事でも決してありませんでした。今は高精度フィルムコンデンサーが入手困難ですから、フォノイコやトーンコントロールと言った時定数回路を組むのはとても大変なことです。
今の時代にレコードを高音質で楽しむのはとても大変なことです。


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