楽しい自作オーディオと注文製作

今日は、日本のアナログオーディオ全盛期のお話をします。
海外製品（舶来品）にばかり気を取られていたマニア層はあまり知らないことです。
とても古いお話です。1974年前後のお話をします。子供の頃の昔話ですがその時代を生きて来たので辻褄が合います。
年号で言うと昭和49年くらいです。1ドルが固定の360円でなくなって、海外オーディオ製品も射程距離に入り始めた頃です。従来の海外製品の回路の踏襲（このころでもそのしがらみに拘る国内メーカーもありますが）みたいな時代から一転して日本独自の物が出はじめた頃です。新規参入オーディオメーカーとしてアキュフェーズが生まれた頃と言った方がわかりやすいと思います。半導体メーカーもとても勢いがありました。専用半導体（集積回路）も開発されました。
まだ4チャンネルを本気で小型化しようとしてた時代ですからその時代を知らない人が知ったふりをすると辻褄が合わなくなるのです。数か月で変わる激動の’74年写真でお分かりいただけますか？

ビクター


ソニー


トリオ

東芝のガラスにタッチして選局するシンセサイザーチューナー

ふたたびトリオ。東芝に負けてられません。同価格帯のシンセサイザーチューナー


テクニクス



一方オーディオパワー半導体でも自社開発の競争が激化してます。3極管特性と呼ばれる、縦型FETをソニー厚木工場とヤマハ豊岡工場で量産開始した頃です。


初期のV- FETパワーアンプ回路。NチャンネルFETで構成


その一方で、日立はNチャンネルとPチャンネルのオーディオ用MOSFETを開発したのでした。
とにかく1974年前後は、各種技術革新の激しかった頃です。追いつけ追い越せで半導体から開発するくらいの日本だったのです。これですから、特性、性能、価格では海外製品は、太刀打ち出来なかったことがお分かり頂けると思います。
海外製のチューナーは周回遅れ。まだダイヤルが直線目盛りでさえない。それでもマニアは海外製品は音基準で作るが日本は測定器で作るから音が良くないなどと平気で言ったものです。


ヤマハ1000モニのベリリウムやFETアンプも半世紀前


ナカミチ　500.700.1000も半世紀前