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現代アンプの原点を考える

現代のトランジスタアンプの原点は、意外なことにスピーカーメーカーのJBLではなかったのではないでしょうか?

まだ日本のトランジスタアンプは準コンプリメンタリのプッシュプルで出力コンデンサー付きの時代でした。
1965年、昭和40年のことです。
この時代に純コンプリメンタリ回路を考えるのですから流石先進国アメリカです。
残念ですが、日本は、まだトランジスタラジオや真空管の時代です。トランジスタアンプはは準コンプリOTLが出始めた頃です。

その回路がこちらです。
多くのメーカーや雑誌ライターやアマチュアが参考にしました。
特筆すべきは、某DCアンプライター記事にに比較すると影響がうかがえます。
下の図は正確にはSE600の回路でした


内部構造です。
EQと青色で書いた部分がイコライザー基板で、主要部の回路からするとEQ部の出力からアンプの入力に配線が見えるのでCR型イコライザー回路のようです。
また、この基板は反対に挿入するとフラットになるとありますので、差し替えでスルーになる構造のようです。


それで、なぜこのアンプかと言いますとDFが変更出来たという記述がありました。

オーディオの足跡さん
挿しかえることによりパワーアンプとスピーカーを含めた周波数特性(型番によってはダンピングファクターも)を、理想特性にコントロールするイコライザーともなっています。

ステレオサウンドさん
エンクロージャーに組み込むことも可能、各種イコライザーボードも用意される。

ステレオサウンドJBLのすべてでSE401~SE400Sの中での解説
山中さん
JBLのスピーカーシステムの(中略)それぞれのスピーカーに適応したイコライザーボードと言うものが用意されていく。
井上さん
このボードで各種のスピーカーに最適な周波数特性とダンピングファクターの調整を行えるようにしたのです。

電波科学の中でSE400Sの解説
上杉さん 
イコライザー基板は同社のスピーカーシステムの特性を補正する

ジャズ喫茶ベイシーの選択の中でSE400S
菅原さん
最適ダンピングが与えられるようにイコライザーボードが用意されている

SE401 ゲルマニュームトランジスタ 1963年
SE400S シリコントランジスタ 1965年 純コンプリメンタリ T型回路

SE401はゲルマニュームトランジスタタイプ
SE400Sはシリコントランジスタタイプ

これらの古い記述と写真からSE401のゲルマニュームタイプの時代ものは、ダンピングファクターの設定があったのではないかと思うのです。
SE400Sは上記回路図からはダンピングファクターは、変えられないと考えることで納得できます。SE600の回路でした訂正

いずれにしても1965年にシリコントランジスタのピュアコンプリメンタリ、全段直結OCLアンプを世に出した功績は大きいと思うのです。

ネット上の回路400/408
この回路図だとEQボードからスピーカーAに戻っているのでDFが変えられるかも知れません。

最終追加
SE400Sのイコライザー部の写真を親切な方が送ってくれました。それから実際の回路を引き出しました。正式マニュアルにも載っていない部分です。
下図はS7システム(オリンパス)用です。
入力に入った信号はCRフィルターでイコライズされアンプの入力に入るようになります。またRnfと書いた抵抗を介してNFBを変えています。これはゲインも変わってしまいます。

FLATの接続だとCRフィルターは通らず、Rnfの抵抗を介さずグランドに落ちます。
M21システムだと同じ形式のフィルターを通りますがRnfは直接グランドに落ちます。

よって正解は
1、JBLの当時の各種スピーカーシステム用にイコライザーがあった。
2、Rnfでダンピング補正するものもあった。
3、しかしほとんど、FLATで使われた。

50年前のユニットに組み合わせなので、今のスピーカーユニットには通用しないといったところが注意点でしょうか?

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