測定値と音質の関係(SN比)
- 2017/10/16
- 21:22
今日も面白くもないことを書きましょう。
書いていることは異論反論も多い事柄なので、不愉快な方はスルーしていただきたいと思います。オーディオ界では、昔から音は数値ではないと言われて来ました。しかし日本のメーカーは、数値を追いかけて来ました。
言い換えれば、自作派(スピーカー含む)は前者を迎合していました。評論家も前者寄りです。
技術者は後者的考えです。数値が良ければ音質的にマイナス要因はありません。
音質が良ければ数値が悪くても良いということではありません。
下記は、熾烈な数値競争が繰り広げられていた70年代のある大手オーディオメーカーのプリアンプのMMフォノイコライザー部のSN説明です。
「SN比は2.5mVの入力に対して90dB、雑音レベルは入力換算IHF A補正値で約0.079μV、-142dBVとなります。」
とてもわかりずらい表現です。ただとてつもなく良い性能だと伝わってきますね。
約0.079μVと表示していることから実測値ではなく計算値でしょう。
入力換算レベルーSN=-142-90=52dBでアンプのゲインがわかります。1V=0dBですから-52dBは≒2.5mVになります。
小数点第三位まで表して約という表現もなんだかなと感じます。もう一つ0.079μvを70年代に、実測できるのかと言う疑問もあります。
このようにカートリッジのように入力がわからないものは、入力換算雑音と言う測定方法が役に立ちます。
仮に入力換算雑音-140dBvのフォノイコライザーがあったとします。
3mV=-50dBVの入力があった場合のSN比は
SN比=-50dBv-(-140dBv)となりSN比は90dBとなります。
これでもSN比は同じ90dBです。
まだ、わかりにくいので分かりやすいSN比
電話や通信のアナログのSN比は対向でこのように測定します。
S(0dBm)信号送ってください。
次にN(無音)送ってください。
その比率がSN比です。
このようにオーディオでもラインレベル(S)が0.775Vや1V(0dB)と決まっているものは、単純にNは入力ショート時の雑音(N)でSN比で通用するのですが、フォノイコのようにカートリッジが繋がれるものは、レベルが異なるのでSN比マジックに騙されやすくなります。
このあたりが、聴いた感じ優先でオーディオの音質が語られた過去があると思います。
デジタルの時代はアンバランスではおおよそ2V基準です。アナログの時代は1Vが基準です。
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