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レコード人気で、知っておきたい再生系の特性データ

最近レコードの人気が高まり、中古価格の高騰には、目を見張るものがあります。
今まで何でもLP100円なんて、値付けしていたリサイクルショップが500円、1000円といった値札に変わっています。

レコードの本当の音を聴きたいのならそれに見合った装置が必要です。
データを見る力で良い中古を見つけることも可能です。
はじめに
デジタル時代に生まれた人は、レコードのノイズの多さに驚くことでしょう。
ノイズの要因について考えてみます。
しかしレコードの時代は、音質が悪くても売れなかったので、音質も販売戦略の一つだったと思います。その分音質重視とも言えます。

ノイズが多い要因
ソフト面
①マスターテープのヒスノイズがそのまま入っている(簡易な装置では聞こえない)
②静電気によるパチパチノイズ
③傷による盤に由来するもの。

ハード面
①ターンテーブルによるもの
①フォノイコライザーに起因するもの。
③MCヘッドアンプ、MCトランスによるもの

簡単には、こんなところです。
ソフト面
①マスターテープのヒスノイズ
機器を高性能なものにすると、気になるようになります。
②静電気によるパチパチノイズ
帯電を除去することで軽減できます。
③傷による盤に由来するもの。
丁寧に扱わないとキズがすぐノイズになります。

ハード面
①ターンテーブルによるもの
ターンテーブルの振動でゴロ音等を拾い易いものの例(音の云々ではありません)

アイドラードライブの構造
モーター軸についている円盤は磁石のはさみ具合で、負荷を直接モーターにかけて速度調整している。モーター軸とターンテーブルの間にゴムの円盤がありそれで回転を伝達している。この構造ならゴロ音が理解できるでしょう。


ダイレクトドライブのターンテーブル例
モーターの軸がターンテーブルに直結している。
モーターの振動を気にする向きもあるが、ゴロ音は出ない設計になっている。


②フォノイコライザーに起因するもの。
性能の規格表を見ても、SN比だけでは、わかりません。
S/N比(SNR)の表示は、字のごとくシグナル/ノイズ レシオ。信号対雑音比である
信号が大きければ、ノイズが大きくても良い表示となる。
わかりにくいことではあるが、使うカートリッジが異なればSN比が変わってしまうのである。従って2V程度の出力を定格とすれば、イコライザーの内部雑音が少なければ100dBを超えるSN比の表示が可能になる。これに対して入力換算雑音レベルという便利な方法がある。これについてはヘッドアンプの説明で述べる。

③MCヘッドアンプ、MCトランスによるもの
初期のMCヘッドアンプはSNの点で非常に不利とされてきた。耳に付きやすいサーノイズがあるからだ。一方MCトランスだってノイズに弱い面がある。トランスであるゆえに電磁誘導によるノイズに弱い。

さてMCヘッドアンプのSN比は入力換算ノイズという概念で考えないと非常に都合が悪い。起電力が異なるMCカートリッジでは、基準入力があいまいではSN比の表示が表せないことがある。アンプの内部雑音の正確な表示方法が入力換算雑音だ。
アンプの入力をショートした状態で出力に出て来た雑音の表示と考えればよい。
(アンプのゲインも関係するが煩雑になるので割愛)
入力換算ノイズ-150dBVと表示されるヘッドアンプがあったとする。これにMCカートリッジの起電力0.1mV=-80dBVがつながれたときのSN比は下記のように計算できる。
SN比=(-80dBV MCカートリッジの起電力)-(-150dBVヘッドアンプの雑音)=70dBと簡単に知ることが出来る。
このようにスペックを理解するためには、本で勉強する必要がある。
残念ながらネット上には間違いが氾濫しているので、簡単便利に検索できても身にならない。だからウィッキは、根拠提示を求めているのだ。
普通の人が機器のスペック表を見ても何が良くて悪いのかさっぱりわからないと思う。せいぜい周波数特性くらいだ。これにも落とし穴があるスピーカーなどは本当にいい加減な周波数特性表示だ。

健康診断の数値のように、いくら以上が正常というのがわからないから、耳で聴いて音が良いからOKになってしまう。

おまけ
MMカートリッジはハイインピーダンスで使うカートリッジによって終端抵抗を切り替えると高域特性が変化するのでインピーダンス切り替えがある。凝ったものでは、入力容量切替までついていたものが過去にはあった。微妙な変化である。

MCカートリッジは、インピーダンスが非常に低く、オーディオ帯域内では純抵抗とみなすことが出来る(数Ωから数十Ω)ということは、ヘッドアンプを使った場合周波数特性の変化が殆んどないので、ヘッドアンプの入力インピーダンスは無視できることになる。ヘッドアンプにあるのはゲイン切替で入力インピーダンス切り替えではない。

ところがステップアップトランス(MCトランス)を使用した場合インピーダンス整合をしないと周波数特性が変わってしまう。MCカートリッジが悪いのではなくトランスとのマッチングによるものです。意外にトランスのせいで優秀な国産デンオンのDL103が悪者扱いされる例がある。


難しい方に脱線したが、流行り始めたレコード芸術を一度鑑賞いただきたいと思うのは私だけではないと思う。

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