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アマチュア(無線)の電源装置

大変古いアマチュア無線機専用の電源装置の修理依頼が来ました。
現存するある上場企業の製品です。
30年近く前の製品ですが、修理して正常に動作しました。
当時のアマチュア無線は、アマチュア無線技士という資格者が使うものですから、一般家庭用品のような設計はされていませんでした。電気回路的知識のある人が使う
ものなので、安全面での配慮は少ない分、低価格でした。
どこの製品か判らないように背面写真のみ掲載します。
立派な放熱器に大電流トランジスタ4個も使用した、いかにも余裕のある設計に
見えます。この辺はお金がかかっています。


内部は、偉そうに公開する理由もないし権利もないので公開しません。
修理していて分かったことは、内部は設計余裕度がありません。
これが、悪いことかと言えばそうでもありません。経済設計ということからは、考え
尽くされていると言えます。前述のアマチュア無線技士向けの商品であることからも
故障したら自分で修理や改良をすることが考えられます。
どれぐらいそぎ落とされた設計だったか列記します。
電源トランス1次側100V2次側18Vの記載、使用ブロックコンデンサー25V33000μ
トランスから18Vの電圧が出ます。ブリッジ整流で≒1.2Vの電圧低下が見込まれます
≒17Vとします。電解コンデンサーで平滑後の電圧は√2倍になります。
23.97Vなので25V耐圧では、何とかぎりぎりです。これに無線機の負荷が掛かるので
もう少し下がることが考えられます。それが余裕度になります。100Vの電源は105V
だったりしますのでその余裕度もすぐなくなりますが・・・・・
電解コンデンサーメーカーも25V超えたらすぐに壊れる設計ではないでしょう。
さて、今回の故障は30年も経っているので当たり前というか、現在まで、持ったのは
立派なものか?と言ったところですが、壊れていたのは、電源スイッチと電圧調整用
の半固定ボリュームの劣化。それに基板上の聞いたことのないメーカーの電解コンの
容量抜け、それらを交換して13.8V出力しましたが、これで終わりではありません。
電源は負荷をかけて動作試験しなくては、修理とは言えません。
電子負荷で10Aの電流を流し連続運転で異常がないことを確認。
3時間運転しましたが、異常ありません。アマチュア無線は間欠使用、送信時に大電流
受信時に小電流なのでこれは厳しい試験です。

自分が設計するときは、不経済な設計をしていると考えさせられる内容でした。
しかし、経済設計が大嫌いな性格は治りません。
昔から、アマチュア無線家とはそれで言い争いをしていました。
業務用や産業用の機器に携わることが多かったのでなおさらでです。
だからオーディオでも、余裕を持った設計をしています。

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コメント

難しいところ

こんばんは(^_−)−☆

旧い記事を覗いています(=^ェ^=)
余裕率と経済設計ですか、難しい問題ですね。
余裕ありすぎても、どうなのかな。大は小を兼ねるか。
コンデンサなんか腹一杯喰って、吐き出した方が良いって事ありませんか?
完全に素人考えだけどね(笑)
ブラシモーターもある程度適正負荷を与えた方が、ブラシがクリーニングされて具合が良い。
また、アンダーパワーのクルマでも、ぶん回して走っても意外と壊れず長持ちしたりするとか(笑)
ただし、書かれている通り、ユーザーが分かって使っている場合に限りますね。そこをどこまで安全見るかっていうと、難しいですね。

Re: 難しいところ

> こんばんは(^_−)−☆
>
> 旧い記事を覗いています(=^ェ^=)
> 余裕率と経済設計ですか、難しい問題ですね。

なんと古い記事に!
電界コンデンサーに掛かる電圧の余裕は20%くらいは待ちたいです。あまり余裕持ちすぎると、活性化の点からあまり良くないようです。

> 余裕ありすぎても、どうなのかな。大は小を兼ねるか。
> コンデンサなんか腹一杯喰って、吐き出した方が良いって事ありませんか?
容量では、1Aあたり1000μFが一般的なんですがオーディオアンプに関しては、完全に違いますね。

この記事の電源の最大電流は30Aなので33000μFで合ってます。


> また、アンダーパワーのクルマでも、ぶん回して走っても意外と壊れず長持ちしたりするとか(笑)
高速道路ばかり走っていると、調子が良いみたいな?

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