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カートリッジの音質に影響する負荷抵抗MM編

レコードブームの再来は、ジャケットが大きな意味合いを持ち、音質については二の次どころか、全く関心がない製品が多い。おもちゃプレーヤーまで、レコード再生のつもりです。その中で重要なカートリッジについて少し書いてみます。

70年代のオーディオ全盛期を過ごしてこなかった人には今更聞けない内容です。
MMカートリッジ
圧倒的に多く販売されたのはMM(ムービングマグネット)型カートリッジです。その名の通り磁石がコイルの中で動いて発電する方式です。レコード針先の振動で小さなマグネットを動かして比較的大きな出力3mV前後を得るためコイルの巻数を多くしています。
コイルの巻数を大くするということは、直流抵抗が大きくなります。インダクタンスも巻数に応じて非常に大きくなります。
代表例としてV15-typeⅢでは直流抵抗1.3KΩインダクタンスは0.56Hもあります。
インダクタンスが大きいということは、カートリッジのインピーダンスは周波数によって大きく変化します。
(ここであれっスピーカーみたいだと思う方は鋭い
このV15-typeⅢのインピーダンス特性
100Hz≒1.3kΩ ほぼ直流抵抗と同じ  1KHz≒3.7kΩ  10KHz≒35kΩ


一般には47KΩでフォノイコライザーは受けています。その理由はこのカートリッジでは35kΩにもなるインピーダンスを高域に影響が出ないとなると47kΩということになり一つの基準なのです。本来ならば2倍から3倍で受けたいところですが、何しろ3mVしかない電圧をハイインピーダンスで受けるとなるとシールド線の寄生容量の影響が出て来来ます。だからフォノケーブルは低容量シールド線が使われます。そういった対策をして100KΩ受けをするのも音質改善につながります。

ここでもし、10kΩ受けしたら1KHzではこのV15の例では3倍で受けているので問題はありませんが10KHzでは、高域に制動が掛かり減衰だけでなく、華やかさに欠けた音になります。

だから中級以上のアンプのフォノイコライザーには負荷抵抗切り替えがありこれが実質の入力インピーダンスとなります。カートリッジのインピーダンスは公称値なのがお分かりいただけたと思います。めったに使用しない負荷抵抗切り替え、偶には使ってみてはいかがでしょうか?。


コメント

な〜るほど

こんにちは(^_−)−☆

10KHzでこれだと、高域だけ見ると、47kΩではけっこうギリギリなのですね。
コードの抵抗とかの影響もありますからね。
だからとは言えないが、Empireは100KΩを推奨しているのかな(=^ェ^=)

Re: な〜るほど

しんのすけさん
こんにちは!

> 10KHzでこれだと、高域だけ見ると、47kΩではけっこうギリギリなのですね。
> コードの抵抗とかの影響もありますからね。
> だからとは言えないが、Empireは100KΩを推奨しているのかな(=^ェ^=)

流石、カートリッジ蒐集家は違いますね。
そういうことなんです。他に針とか構造によるキャラクターもありますが、あくまでも
電気的な意味合いではこういう理屈があるからってことです。
だからと言って、その周波数でのインピーダンスと負荷抵抗で計算していくら減衰するとか
やっても無意味なんだよね。
負荷抵抗は使用者がいい塩梅で使えるところに設定するものですね。

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