FC2ブログ

記事一覧

カートリッジの音質に影響する負荷抵抗MC編

MCカートリッジ
今度はMCカートリッジです。MCカートリッジは字のごとくムービングコイルでコイルが動いて発電するタイプです。MCカートリッジは写真のように強力な磁極の中でコイルを動かして発電する構造です。




針先で拾った振動はカンチレバーに巻かれたコイルが動いて発電します。MMでは小さな磁石が動いて発電ですが、MCでは、ドライバーを持ち上げられるほど強力な磁石だから大きな出力が得られると思われますが、逆にMMの1/10から1/100と非常に小さな発電電圧です。その理由は、小さなカンチレバーに巻けるコイルが非常に少ないのです。巻数が少なければ発電電圧も小さいのです。
従って出力のインピーダンスも非常に小さくオルトフォンの2~3Ωデンオンの40Ωとコイルの巻数が小さいのでインダクタンスは小さく周波数によりインピーダンスもほとんど変化しません。直流抵抗がそのままインピーダンスとみなせるわけです。
一定のインピーダンスを昇圧するにはトランスが適しています。インピーダンスをマッチングさせればロスを少なく昇圧させることが出来ます。ただしトランスによる色付けが良くも悪くも付いて回ります。
そこでMCヘッドアンプがあれば、あるいはハイゲインのフォノイコライザーがあれば対応できるのですが、昔は半導体は、雑音が多くヘッドアンプには向きませんでした。出来るだけ入力インピーダンスを下げて逃げるしかなかった時代もありました。MCに関してはトランスからの名残で、インピーダンスを合わせることが正しいと思われる向きもありました。しかしMM同様にカートリッジのインピーダンスよりかなり高いインピーダンス受けした方が良い結果が得られます。これは半導体や回路技術の進化で低雑音が可能になったことに他なりません。これは実際の音質ではMMと同じように数倍のインピーダンスで受けることにより抜けの良いスッキリとした音質が得られます。
MCカートリッジの特徴として、制動能力が高いことがあげられます。どういうことかと言うと負荷抵抗を小さく(オーバーダンプ)すると(*1 MCカートリッジの出力に負荷抵抗なので電気的制動になる)音質の方も実際に躍動感のないのない音質となります。
*1 実験でわかる制動 スピーカーはMCカートリッジのように低インピーダンスです
出力を開放した状態でコーンを押すとフラフラ動きます。30センチ以上の大きな口径だとわかりやすい。写真のような小口径ではコンを指ではじくと音でわかります。


クリップで出力をショートして制動を掛けると動きにくくなります。これが負荷抵抗による制動の影響です。

コメント

そこんとこが難しいのだ

こんばんは(^_-)-☆

ご説明の通りです。、経験上、MCカートリッジは磁界が強力なほど良い感じの音になります。磁界が強力な事が、MMカートリッジよりも優位な点の一つでしょう。
受け側のインピーダンスは仰る通りなのですが、電気的なインピーダンスの整合と合わせて、ご指摘の制動力も変わるからら、ややこしいんです。

だから、単純にハイ受けすると高域が伸びるという様な単純な事にはならない場合が多い。
ハイ受けして低域の締りが悪くなると、高域も聴感的に荒れて聴こえて、伸びて聴こえなかったりします。
この辺は、使用者の好みに頼るところになるでしょう。

ただ、メーカーは推奨のインピーダンスで音作りをしているはずですから、それを基準に若干の範囲で調整すべきかも知れません。

但し、旧いカートリッジダンパーが多少変わってきていますので、分かった上でハイ受けしたり聴感で判断すべきでしょう。
針圧も同様です。わたしは、カンチレバーの撓みの位置が適正になるように印加しています。

SATINは特殊で、インピーダンス10~30Ω位で出力が1.5mVもある。本来 30Ω~200Ωぐらいの負荷抵抗指定ですが、負荷抵抗いれてしまうと出力がガクンと落ちてしまい、本来の高出力MCの意味がなくなってしまう。専用アダプターも発売されていましたけどね。

仕方なく47KΩのMMポジションで受けて(メーカーも可としている)聴いていますが、本来の性能は出ていないだろうと思う。かなり良い音はしますけどね(^^)/
40Ωのトランスで受けてしまうという手もありますが、これだと出力が上がりすぎてしまう。

という様に、使いこなしが難しいカートリッジです。

Re: そこんとこが難しいのだ

しいのすけさん
こんにちは!

使いこなしの問題です。カートリッジ蒐集家ゆえの悩みも多いでしょう。
通常のヘッドアンプやハイゲインフォノEQなら負荷抵抗に高精度のヘリカルポテンショメーターを入れて最適値に
アジャストするなんて改造もありかと思います。

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

audioproject

Author:audioproject
自作オーディオというジャンルです。
audioproject.jpは独自ドメインです。
自作オーディオ.jpは独自ドメインです。