FC2ブログ

記事一覧

パワーアンプのプロテクションリレーの電子化

リレーの電子スイッチ化の記事を書いていたら何件か電話やメールをいただいたので別記事で書きます。

プロテクションリレーについて
HiFiオーディオ用のパワーアンプのプロテクションリレーは、一部を除き必ずと言っても良いほどにリレーでON/OFFし制御ている。
目的は、電源オンオフ時の、直流がスピーカーに加わることや、アンプ故障時や、過負荷等の異常時にアンプの出力を遮断するためにある回路だ。スピーカーへの接続線を電磁スイッチ(リレー)で入り切りしている。

具体的には、電源オン後数秒後にスピーカーをオンするスイッチ回路だ。電源オフ時は、即座にスピーカーを遮断することによってスピーカーを守る重要な回路で、また障害発生時も遮断する機能を兼ね備えている。これがないとボコとかポンという音がする。
このスイッチをリレーという機械的接点部品で自動で動かしている。アンプのスイッチを入れると数秒後にカチッと音がするのがこれである。

これが1回路の大容量リレーだ。上記の説明だけだったら分かってるよ!でおしまいかもしれない。





ところが何年か使用しているうちに接点は劣化して来る。これが使い続けるうちに劣化はどんどん進む。
昔は、オーディオメーカーがリレーメーカーに特注していたため、現在はピンが合うものは少ない。それで分解して磨く人も多いが少しするとまた不具合が生じる。これが厄介で、音が出たりでなかったり、音量を上げると一気に音が出る。

徐々に劣化するから音の変化は気が付きにくい。初期の接触抵抗は電圧降下法という測定方法のメーカーの公称値が50mΩ以下となっている。後の説明のために、この50mΩ=0.050Ωを覚えて置いていただきたい。





そこで電子スイッチでこの代わりをさせようというのが今回の実験試作。下の写真右のリレーの機能をMOS-FETMOS-で電子スイッチにしようというものだ。このFETの1個当たりのON抵抗は22mΩとなっている。



実際に動作させると44mΩと予定通りの値が得られた。





実際の電線がどの程度の抵抗を持っているかは、下は1.25SQの電線1mの抵抗値。
16mΩ程度だ。




ということで44mΩは、オン抵抗が大きくて使えないか使えるかになるが、電線数m(往復)だとすれば十分に使えるオン抵抗だ。
メーカーアンプでダンピングファクター(DF)が数百から1,000以上を争う場合は、このオン抵抗は非常に問題になる。
MOSFETで、プロテクションリレー化しているメーカー製高級アンプはオン抵抗がおそらく5mΩ程度だと推測できる。
DF値が高くても200程度の普通のアンプでは44mΩは問題にはならない値だと思う。入手できないFETを無理に探す必要はないのではないかと思う。機械式リレーの初期性能50mΩ以下に比べて遜色ない。
聴感上の音質に問題があれば別ではあるが、長期間安定にオン抵抗が保てるのであれば、電子スイッチ化も悪くはないはずだ。
このMOSFET通過の音質を言い出したら、パワーアンプ出力段にMOSFETは使えないことになる。
超低オン抵抗のMOSFETが入手できることに越したことはないが、この大きなMOSFETを選択しているが、何も考えていないわけではない。小型のものより通過面積は大きいはずだし何より4V駆動であることは、フォトボルで完全に他回路と縁切り出来る。

実際のアンプ組み込みは、部品入荷後です。 こうご期待!
スポンサーサイト



コメント

良い実験

こんにちは(^_-)-☆

リレーにもハイグレードタイプと呼ばれる、窒素ガス噴入なんてのもありますよね。まあ、どの程度の密閉精度かは疑問ですけど。タイヤみたいにペチャンコになって使えなくならないからね~ 分からない。ソケット式にして、交換できればいいのにね~。クルマのプラグみたいに(笑) 音が途切れるぐらいになるのだから、その前はかなり接触抵抗も高くなって、歪も発生しますね。

そこへいくと、電子スイッチはメカ的な接触が無いから健全と言えますね。

>MOSFET通過の音質を言い出したら、パワーアンプ出力段にMOSFETは使えないことになる
確かにその通りでしょう。でも、長年のしきたりというか、今までの常識が邪魔をするのでしょう。こういう実験をして、事実を確認することが新たなオーディオの常識革新として大切だと思います。結果が楽しみです。

本来は1リール1000個のやつが使えれば良いのでしょうけど( ^ω^)・・・

Re: 良い実験

しんのすけさん
こんばんは!

> リレーにもハイグレードタイプと呼ばれる、窒素ガス噴入なんてのもありますよね。まあ、どの程度の密閉精度かは疑問ですけど。タイヤみたいにペチャンコになって使えなくならないからね~ 分からない。ソケット式にして、交換できればいいのにね~。クルマのプラグみたいに(笑) 音が途切れるぐらいになるのだから、その前はかなり接触抵抗も高くなって、歪も発生しますね。

使い方にもよりますねボリューム上げておいてパワーアンプオンでは、低インピーダンス負荷では一気に電流流れるし、逆起電圧もありますからね。ソケットだとかなり大掛かりで現実的ではないです。メーカーの予想外に長く使っているというのもあるでしょう。接点が悪くなるとひずみっぽく感じますよね。

昔、海外製のアンプでは保護回路リレーがなく、スピーカー飛ばすので有名になったアンプ○○とかありましたね。
>
> そこへいくと、電子スイッチはメカ的な接触が無いから健全と言えますね。
ただコスト面では、負けてしまいます。
>
> >MOSFET通過の音質を言い出したら、パワーアンプ出力段にMOSFETは使えないことになる
> 確かにその通りでしょう。でも、長年のしきたりというか、今までの常識が邪魔をするのでしょう。こういう実験をして、事実を確認することが新たなオーディオの常識革新として大切だと思います。結果が楽しみです。
動作的には問題なく動いてます。しばらく実験しましょう。
> 本来は1リール1000個のやつが使えれば良いのでしょうけど( ^ω^)・・・
そうなんですが量産しなければ無理な数ですね。

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

audioproject

Author:audioproject
自作オーディオというジャンルです。
audioproject.jpは独自ドメインです。
自作オーディオ.jpは独自ドメインです。